石井醸造

お知らせ

石井醸造


私共『曽我の誉』は小田原名産である梅干の産地・曽我梅林にほど近く、気候温暖・風光明媚な地で行雲流水綿々と酒造りを行っております。 頭書の句は梅の花がほころびる二月も半ば過ぎた頃に、酒杯を傾けるのどかな風情を旅人がよんだものです。  梅の香りがただようこの時期に、新酒の出来上がりを迎え、「しぼりたて新酒」や「おり酒」を味わいながら、咲きほこった梅を観賞し一足早い春を堪能していただくことができるのです。
石井醸造の創業は明治三年で、現社長(石井省吾)が五代目です。 代表銘柄『曽我の誉』はこの地が昔、「曽我村」と言ったことにちなんだものです。「曽我」という地名を聞けば、「富士の仇討ち」として名高い曽我兄弟を思い浮かべることでしょうが、近くの城前寺には兄弟のお墓が祀ってあり、毎年五月二十八日には曽我兄弟仇討ちゆかりの傘焼き祭りが盛大に行われています。『曽我の誉』にはそうした歴史的な思いも込められているのです。 


私共の酒造りの特色は、もろみを通常の三回に分けて仕込む「三段仕込み」ではなく、四回に分ける「四段仕込み」にあります。  最後の四回目の仕込みを、通常の掛け米では用いない「もち米」を使うことにより、コクのある味がよく出るのです。  四段仕込みを持ち味とする私共の蔵の酒質は濃醇タイプが主流です。とりわけ『曽我の誉本醸造』を飲むと、蔵特有の濃醇な味わいを十分堪能できます。但し、酒蔵好適米をよく精白してあるため、味にくどさは全くございません。  もっとも私共では、濃醇タイプの酒ばかりを醸しているわけではありません。『曽我の誉吟醸』はむしろ淡麗な部類に入り、まろやかでかつ穏やかな味わいは、女性や初めて酒を飲む人たちにも大変好まれております。きれいな味をよく出す為に大吟醸並に米を磨いています。


従来大吟醸を造っておりませんでしたが、平成10年夏以降から、社長自ら醸した『曽我の誉大吟醸・しゃくなげの風』を発売いたしました。この酒は、もろみ日数に四十三日を費やし、社長の酒造りに対する情熱を凝縮した逸品です。  さらに長期熟成貯蔵した「純米古酒」を蔵出し、重厚でほどよい苦味と後味のよさを特徴とした『曽我の誉純米古酒』を新たに発売しました。『曽我の誉』は糖類を一切使用せず、真心と誠意を込めた酒造りをモットーとして、日々精進しております。
これからも地元をはじめとして、全国の皆様に愛される清酒を造り続けて行きたいと考えております。
何卒お引立て賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

日本酒の種類は主に原材料の違い、精米歩合の違い、製造法法の違いによって分けられます。

◆ 吟醸酒
酒造りに最も適するとされる米だけを利用し、さらにその表層部の40%以上を磨いて作ったお酒で、新鮮な果 樹の香りにも似た吟醸香のある軽快でなめらかな味を楽しむ事ができます。

◆ 純米酒
米と米麹だけで作ったコクのある深い味わいのお酒で、日本酒の原点とも言える個性派のお酒です。

◆ 本醸造酒
米と米麹に味の調整のために、醸造アルコールをごくわずかに加えたお酒で、スッキリとした味わいが特徴です。

◆ 普通酒
前記以外のお酒で、米、米麹、醸造アルコールの他に糖類を加えたものもあり、それぞれの蔵元によりバラエティーに富んだ味が楽しめます。

◆ 生酒・生貯蔵酒
一般的な清酒がビン詰めにされるまでに2回の加熱殺菌処理(火入れ)をしているのに対し、特殊なフィルターの開発や、冷蔵設備の普及により絞りたての風味を生かしたお酒です。このうち、加熱殺菌処理(火入れ)を全くせずビン詰めしたものが生酒です。又、生のまま貯蔵しビン詰めに際して加熱殺菌処理(火入れ)をしたものが、生貯蔵酒です。どちらも生酒特有のフレッシュな絞りたての味と香りが楽しめます。
それぞれラベルに種類が明記されていますので、これらを参考にお選び下さい。 

戦後の日本の全国市区町村別標準化死亡比を見ると、肝硬変や肝ガンによる死亡率に大きな地域差があることがわかります。そこで、全国のアルコール消費量 を種類別に比較照合してみたところ、東北地方を中心とする東日本、つまり日本酒をよく飲む地方の人たちの死亡率が非常に低いことがわかりました。つぎに、ヒトのガンの細胞に日本酒の濃縮液を添加する実験を行ったところ、ガン細胞の増殖が著しく抑制されました。こうした結果 は、ウィスキーやブランデーでは認められないもので、すこから日本酒に含まれる何らかの成分がガン細胞増殖抑制作用を持つのではないかと考えたのです。戦後づっと肝硬変、肝ガン死亡が東低西高の地域差を示しているという事象は、こうした実験結果 が裏付けているといえるかもしれません。日本酒のどの成分が成ガン作用を持つのかの特定が今後の課題として残されていますが、日本酒の効果 は、事実として知ってほしいと思います。

滝沢 行雄(たきざわ ゆきお)さん 医学博士 秋田大学名誉教授国際疫学学会などに所属

糖尿病という病気は、血液中の糖分をエネルギーに変える働きをするインスリンというホルモンが不足するために、摂取した糖分が利用されずに血液中に増えてしまう病気です。遺伝のほかに、食べ過ぎや運動不足による肥満、ストレスがきっかけとなって発病し、放置すると恐ろしい合併症が出現します。日本では最近患者数が急激に増加しており、特に40歳以上の人は精密検査で一割程度見つかります。ところで、糖尿病には日本酒の糖分がよくないとか、日本酒はカロリーがたかいから、などという人がいますが、日本酒と糖尿病には直接的な関係はありません。アルコールは1gにつき7キロカロリーあり、これはどんなお酒でも同じで、摂取カロリーは飲んだお酒に含まれるアルコールの量 に比例します。糖尿病の予防には、なによりも、一日に取る食べ物その他の総摂取カロリーの抑制と適切な運動が必要です。それらに注意し、おいしいお酒を楽しみましょう。

岡部 正(おかべ ただし) 医学博士 岡部クリニック院長 日本内科学会評議員 日本糖尿病学会認定指導医